ビジネス思考法

批判的思考(クリティカルシンキング)とは【本質を見極める思考法】

よくある疑問

  • 批判的思考って何?そもそも批判的って?
  • 批判的思考のメリットって何?
  • 身に付けるにはどうしたらいいの?

 

こんな疑問を持っている方へ。

本記事では、批判的思考(=クリティカルシンキング)について解説します。

 

批判的思考(=クリティカルシンキング)ができるようになると、ロジカルシンキングよりもより現状を深堀りできるスキルが身につきます。

ロジカルシンキング(論理的思考)とよく比較されるクリティカルシンキング(批判的思考)は、ビジネス思考法として重要な考え方です。

 

ビジネスパーソンとして重要なスキルですので、ぜひ本記事を読んでみてください!

この記事の信頼性

この記事を書いている僕は、本業は東証プライム上場企業の管理職を務めています。

  • 上場企業の管理職
  • 200名以上の従業員マネジメント経験
  • 現在はIT企画部門
  • 10億円以上のプロジェクト担当
  • 経営層に向けたプレゼンが日常業務

業務はこんな感じです。

クリシンは通常業務で必須レベルです。

(Twitter:@logithin_labo

ぽてと

 

批判的思考とは?勘違いしがちな「批判的」の真の意味

『批判的』とは、一般的な考え方は「同調、受容しない」の意味です。

ある人や物事に対して、すぐ同調や受容をせずに、批判しようとするさま。また、あることについて賛成でないさま。

出典:コトバンク

 

つまり、批判的思考とは、直面している課題や打ち手を「同調、受容しない」思考法です。

 

注意ポイント

批判=否定ではない

批(=事実を突き合わせる)、判(=見分け定める)

  • 情報を分析する
  • 前提を疑う

上記のような意味であり、受け入れない、拒絶するといった批判ではありません。

 

批判的思考(クリティカルシンキング)を身につける【メリット2点】

批判的思考(クリティカルシンキング)を使うメリットは以下の2点です。

 

批判的思考のメリット2点

 

それぞれ解説していきます。

ぽてと

 

メリット①:ロジカルシンキング力が高まる

批判的思考の特徴は、徹底的に事実で物事を判断することです。これが1番重要なポイントです。

 

  • この方法が最善と証明するデータや統計はあるか?
  • 過去に同様の事例があったのか?
  • 似通ったケースと比較したらどうか?

 

感情論や人それぞれの経験則などは捨てた上で、徹底的に事実ベースで物事を判断します。

 

つまり、批判的思考をする上でロジカルシンキング(論理的思考力)は必須であり物事を合理的に判断する思考力が高まります。

 

メリット②:深堀りして考えることができる

2つ目に、批判的思考では物事を深掘りして考えることができます。

 

深掘りをすることで、「物事の本質を見極める」「意思決定の納得度が高まる」と言った効果があります。

 

  • 自分たちの出した結論ありきで考えていないか
  • あの人の言っている新しい意見を軽視していないか
  • 過去の経験や記憶に依存していないか
  • 経験則でバイアスがかかっていないか
  • 希望的・楽観的観測で考えていないか

 

上記のような「そもそも」「前提」を疑うこと=批判的思考することで

物事を深掘りして考えることが可能です。

 

批判的思考力のトレーニング方法【5つのポイント】

疑問:じゃあ批判的思考力はどう身につければいいの?

 

上記のような疑問に答えるために、本章ではトレーニング方法5つのポイントを解説します。

 

批判的思考力のトレーニング方法【5つのポイント】

  1. 根拠を疑う
  2. バイアスや前提を分析する
  3. 感情的にならない
  4. 過度に単純化しない
  5. 他の解釈を考える

 

それぞれ解説していきます。

ぽてと

 

ポイント①:根拠を疑う

徹底的に事実で判断することが重要です。

 

課題に対しての打ち手が「事実に基づいて判断されているか」見直しましょう。

 

例えばこんなこと

  • この方法が最善と証明するデータや統計はあるか?
  • 同様の事例が過去にないか?

 

上記のように根拠をもって判断しているかどうか徹底的にみるクセをつけましょう。

 

ポイント②:バイアスや前提を分析する

バイアスがかかっていないか?前提としている部分は本当にそうなのか?

 

そもそもの部分について見直しをかけます。

 

例えばこんなこと

  • 結論ありきで考えていないか
  • 新しい意見を軽視していないか
  • 自分の記憶に依存していないか
  • 経験則で判断していないか
  • 希望的観測で考えていないか

 

人は無意識のうちに、「これまでそうだった」とか「固定概念」に左右されてしまいます。

前提を疑うことこそ批判的の意味でもありますので、ココは強く意識しましょう。

 

ポイント③:感情的にならない

自身や他者の感情に基づく判断は事実を元に判断されていません。

 

徹底的に根拠を集めることに集中しましょう。

 

例えばこんなこと

  • 私がそう感じるから~といった推論をしていないか
  • 不確実なものを軽視していないか
  • 経験上うまくいった、など推論していないか

 

批判的思考に感情は邪魔です。

とにかくドライに事実や根拠をもとに判断すべしです。

 

ポイント④:過度に単純化しない

難しい問題に向き合ったときには、しばしば選択肢を絞り込んでしまうことがあります。

 

本当に不要か?を自身の出した結論を再度見直します。

 

例えばこんなこと

  • 不確実なものを切り捨てていないか
  • 理解できないことを選択肢から捨てていないか
  • 選択肢を絞りすぎていないか

 

ここまで解説してきたポイントを強く意識すると、課題がものすごく単純化してきます。

「事実や根拠をもとに判断」と同時に、不確実なものも排除していないか?

疑いつつ思考していきましょう。

 

ポイント⑤:他の解釈を考える

例えばこんなこと

  • 出した結論は本当に根拠に基づいているか
  • 初期情報に依存していないか

 

上記のよに、すでに出した結論に対しても批判的思考で見直しをかけることが重要です。

常に疑いつつ思考するのが批判的思考(クリティカルシンキング)です。

 

批判的思考(クリティカルシンキング)を例題で考えてみよう

内容はわかったけど、例題とかないとイメージがしづらいな

上記のような疑問にこたえます。

 

本章では、批判的思考を例題2問を使って考えてみましょう。

ぽてと

 

例題①:離職率が高い理由を考えてみよう

例えばこんなこと

「A店の従業員の退職が多い」この状況を改善するには?

 

  • A店の店長の意見
    • そもそも今どきの子たち忍耐力がなくてすぐに辞めてしまう
    • 隣のB店よりも時給が低いのもひとつの原因
    • 面接は営業部長と分担しており、営業部長の採用基準を見直すべき
  • 仮説
    • 今どきの子は忍耐力がないから辞めてしまう
    • B店より時給が低いので辞めてしまう
    • 面接を分担する営業部長の採用基準が悪いため退職が多い
  • クリティカルシンキングでの疑問
    • すぐ辞めるとはどのくらいの期間で、退職者は何を理由に辞めているのか?データはあるのか?
    • B店の時給が高く辞めているのであればA店で辞めた従業員はB店で働いているのか?
    • 採用基準はそもそも存在するのか?見直しをかけるには何をすればいいのか?

 

例題②:売上低迷の改善策を考えてみる

例えばこんなこと

「B支社の売上低迷のせいで会社の業績が落ちている」この状況を改善するには?

 

  • 部長の意見
    • 売上を上げるためには、取り扱い商品を増やすべきだ
  • 仮説
    • B支社は現状維持バイアスが強く、新しいことをやろうとしない
    • 取り扱い商品を増やせば活気が出るだろう
  • クリティカルシンキングでの疑問
    • そもそも会社の業績が悪いのは本当にB支社のせいなのか?
    • 取り扱い商品を増やすことが本当に良いのか?売上が悪い原因は既存商品が売れていないことなのか?
    • 既存商品の売上を上げることを考える必要はないのか?

 

批判的思考(クリティカルシンキング)の学び方【おすすめ本3選】

本章では、批判的思考のおすすめ本を3冊紹介していきます。

 

おすすめ①:グロービスMBAクリティカル・シンキング

 

本書の内容

論理の構造化、演繹法と帰納法、因果関係、仮説と検証…論理思考のベストセラー定番テキスト。
演習問題・事例・解説を刷新。

出典:本書の内容説明より

 

ポイント:ビジネスパーソンが仕事を進めるうえで役立つ思考が身につく

ビジネススクールのグロービスが監修しているので信用度高い1冊です。

ビジネスで確実に直面するであろう課題に対してどう思考すべきか解説しています。

短い時間でシンプルに習得できるように構成されているので忙しいビジネスパーソンにおすすめです。

 

おすすめ②:入社1年目で知っておきたい クリティカルシンキングの教科書

 

本書の内容

これからのビジネスに、前例やマニュアルは通用しない。
いま会社が求めているのは、課題を解決する能力より、課題を見つける能力。
論理に縛られた“頭でっかち”を卒業して、真の成果を産み出す人材になろう。

出典:本書の内容説明より

 

ポイント:豊富な事例をもとに課題解決のための思考法を身につけられる

テクニックだけでなく心構えのような内容も多く、タイトル通り入社1年目のような人におすすめ。

各所レビューには『思いのほか難しい』という感想が散見されます。

クリティカルシンキングの内容はやはりちょっとハードルが高い印象ですが、本書はその中でも入門的内容です。

 

おすすめ③:クリティカルシンキング(入門篇) あなたの思考をガイドする40の原則

 

本書の内容

「ものの考え方」自体を学ぶ機会がこれまでにあっただろうか。本書は,現代をよりよく生きるために必要な「ものの考え方」,すなわち「クリティカルシンキング」を系統的に学習するためのテキスト。
提示された「原則」や,豊富な練習問題を通じ,自ら考えようとする態度や習慣を身につけるためのガイドとして最適である。

出典:本書の内容説明より

 

ポイント:クリティカルシンキングを40の原則で解説

『ビジネスだけではなく生活のなかで役立つクリティカルシンキングの入門書』

具体的なシチュエーションで解説されており、利用シーンをイメージしやすい1冊です。

 

まとめ:批判的思考(クリティカルシンキング)を理解して課題を深堀りしよう

最後におさらいです!

 

批判的思考のメリット2点

 

批判的思考(クリティカルシンキング)を鍛えることによって上記2つのメリットが得られます。

課題を疑い、深堀りできるようになることでより思考力を高めることができます。

 

ロジカルシンキングと並んでビジネスパーソンとしては必須のスキルです。

 

ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください!

ぽてと

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