ロジカルシンキング

問題・課題発見に使えるフレームワーク8選【使い方のコツを解説】

よくある疑問

  • 問題・課題発見のフレームワークを複数知りたい
  • 使い方や活用例を知りたい
  • コツもあれば教えてほしい

 

本記事では、「そもそも問題や課題の見つけ方がわからない」という人に向けて

問題、課題発見に使えるフレームワーク8種類を紹介、解説していきます。

 

こんな方におすすめ

  • 問題・課題を発見したいけどやり方がわからない人
  • フレームワークを勉強したい人
  • 問題・課題が見つけられない人

 

この記事の信頼性

この記事を書いている僕は、本業は東証プライム上場企業の管理職を務めています。

  • 上場企業の管理職
  • 200名以上の従業員マネジメント経験
  • 現在はIT企画部門
  • 10億円以上のプロジェクト担当
  • 経営層に向けたプレゼンが日常業務

業務はこんな感じです。

フレームワークを使うことは、通常業務で必須レベルです。

(Twitter:@logithin_labo

ぽてと

 

本記事で紹介するフレームワークは以下の通りです。

それでは詳しく解説していきます。

 

使い方フレームワーク
問題をあぶり出す
フレームワーク
1As is/To be
26W2H
3なぜなぜ分析
4コントロール可能/不可能
問題を整理する
フレームワーク
5ロジックツリー
6課題設定シート
優先順位を決める
フレームワーク
7緊急度/重要度マトリクス
8意思決定マトリクス

 

まずは問題と課題の定義を確認しよう

本題に入る前に、前置きです。

「問題」と「課題」は似たような言葉ですが、意味を区別していきます。

本記事では、以下のように定義していきます。

 

  1. 問題:理想と現実のギャップのこと
  2. 課題:問題を解決するための具体策

 

上記のようになります。

 

例えば、年商1億円を目指している本屋さんが、現在は9千万円なのであれば、「1千万円不足している」というのが問題。

その1千万円の売上で目標を達成できていないのが「雑誌」という部門である。この具体的に取り組むべきことが課題。

 

つまり、問題→課題の順番で洗い出していくことが必要です。

そして、この問題→課題を洗い出していくため手段がフレームワークです。

 

上記のように区別することで、行動ベースに落としていく過程がまったく変わってきますので頭に入れておきましょう。

 

問題・課題発見に使えるフレームワーク8選

改めて、本記事で紹介するフレームワークは、以下の8種類です。

問題・課題整理のステップは「①問題をあぶり出す」「②問題を整理する」「③問題の優先順位を決める」の3ステップです。

 

問題・課題発見に使えるフレームワーク8選

使い方フレームワーク
問題をあぶり出す
フレームワーク
1As is/To be
26W2H
3なぜなぜ分析
4コントロール可能/不可能
問題を整理する
フレームワーク
5ロジックツリー
6課題設定シート
優先順位を決める
フレームワーク
7緊急度/重要度マトリクス
8意思決定マトリクス

 

上記を使いこなすことで、自分だけだと考えが及びづらい「思考の幅」をひろげる手助けをしてくれます。

さらに、思考をスムーズにするには、いくつかのコツがありますので、ひとつずつ解説していきます。

 

その①:As is/To be

 

As is/To beとは理想と現実の2つの視点で問題を発見します。

 

  1. As is:現状
  2. To be:あるべき理想の姿

 

現実と理想のギャップになるのが問題です。

 

例えば、月の売上目標が1,000万円の本屋さんが、実際のところ900万円だったとします。

  • As is:900万円
  • To be:1,000万円

このギャップになる100万円が問題です。

 

As is/To beを使って発見した問題を解決する課題は、この後のフレームワークを使って導き出していきましょう。

 

 思考のコツ

  • 理想に対して「いま」は何%くらいか?
  • 最も重要な問題はどれか?
  • 倍の成果を出したら理想に届くのか?

 

そもそも「理想の状態」がわからないときは上記のような切り口で考えていくと、思考がスムーズに進んでいきます。

 

 

その②:6W2H

 

6W2Hは、8つの問で問題を多面的にとらえていくフレームワークです。

 

  1. Who:誰が

  2. Whom:誰に

  3. What:何を

  4. How:どのように

  5. Why:なぜ

  6. When:いつ

  7. Where:どこで

  8. How much:いくらで

 

上記8つの問で考えていきます。

 

例えば、「社員の離職率が高い」という問題に向き合ったとき

  • Who(誰が):入社2年目までの若手社員
  • Whom(誰に):上司とのコミュニケーションがうまくいっていない
  • What(何を):新入社員が5名辞めている事実
  • How(どのように):コミュニケーションが希薄になり突然退職の意思を告げられる
  • Why(なぜ):激務についていけない
  • When(いつ):業務レベルが上がってきたタイミングで
  • Where(どこで):首都圏エリア
  • How much(いくらで):1人辞めるごとに100万円の損失

上記のように、真の問題は何かを導き出すことができます。

 

8つの視点で多面的にとらえることによって、問題を深堀りすることができます。

思考のコツ

  • 問題について正確に把握しているか?

  • なぜこの問題が発生したか?(前提を忘れない)

  • 無意識に目を背けている点はないか?

 

6W2Hは、問題を深堀りするときに有効なので、上記のように

「そもそも自分たちの問題意識は正しいのか?」といった前提を疑う視点を持っていると

真の問題がみえてきます。

 

いわゆるクリティカルシンキングが役に立つので、以下の記事も参考にしてみてください。

ぽてと

 

 

その③:なぜなぜ分析

 

なぜなぜ分析は、問題の原因を深堀りしていくフレームワークです。

やり方は簡単で、ひとつの問題に対して複数回「それはなぜ?」をくり返していきます。

 

  1. Aくんがクレームを起こしてしまった
    ↓それはなぜ?

  2. お客様へ間違った案内をしてしまった
    ↓それはなぜ?

  3. お客様Bとお客様Cの案内を間違ってしまった
    ↓それはなぜ?

  4. お客様Bとお客様Cの接客を同時並行でやっていたから
    ↓それはなぜ?

  5. 売場には従業員がAくんしかおらずお願いできる人がいなかったから
    ↓それはなぜ?

  6. スタッフィング不足

 

上記のように、最初は「Aくんがクレームを起こした」という問題だったのが、5回の「それはなぜ?」をくり返したことによって

「スタッフィング不足」という問題に変わりましたよね。

 

なぜ?をくり返すことで、本質的な課題がみえてきます。

最低でも3回以上はくり返してみるといいですね。

 

思考のコツ

  • 前提から疑おう

  • 似ている問題はない?

  • 矛盾はないか?

 

「Aくんがクレームを起こしてしまった」という問題に対して「本当にAくんが起こしたのか?」という前提を疑う意識を持っておくことで

思考の深堀りにつながります。

 

また、なぜ?をくり返した最後には、自分たちの出してきた結果に矛盾がないか見直しをかけることも大事です。

 

 

その④:コントロール可能/不可能

 

コントロール可能/不可能は、自分たちで変えられるものと、そうでないものを区別するフレームワークです。

 

  1. コントロール可能:来店したお客様の10%に購入してもらう

  2. コントロール不可能:店舗の立地が悪い

 

例えば、上記のような例があります。

 

売上が悪く、「お客さんの購入率をあげたい」という問題があったとします。

従業員同士で話し合うと、色んな意見がでると思いますが、「そもそも立地が悪い」といった意見は

自分たちではコントロールできません。

 

つまり、考えてもムダということです。

 

コントロール不可能のものをいくら思考しようが、改善が見込めないので、

最大の効果を発揮するためには、コントロール可能のものに絞って議論した方が効率が良いですよね。

 

思考のコツ

  • いま考えるべきことは何か?

  • コントロール可能な問題の解決策は?

  • コントロール不可能な問題の基準は?

 

視点を変えて、「じゃあコントロールできないのってどういうもの?」という基準合わせのような会話をしてみるのも良いです。

そうすると、従業員同士で話し合う際にも「これは考えてもムダ」という基準ができあがります。

 

上記のようなやり取りをくり返せば思考が加速していきますね。

 

 

その⑤:ロジックツリー

 

ロジックツリーは、情報を階層整理して全体像をつかんでいくフレームワークです。

 

問題
└原因①
└原因①-1
└原因①-2
└原因②
└原因②-1
└原因②-2

 

構造を分解整理することで、真の問題をみつけます。

 

「売上」を例にあげてみると、売上=客数×客単価というふうに整理できます。

100人×1,000円/1人あたり=10万円という構造です。

 

上記のように階層で整理できれば、真の問題は「客数」なのか「客単価」なのか、と問題を深堀りすることができます。

ロジックツリーには、いくつか種類があります。

以下の記事の内容も参考にしてみてください。

ぽてと

 

 

思考のコツ

  • 書き出したもので重要なのはどれ?

  • ライバルが同じ問題について考えたらどうなる?

  • 最下層から上層に向かって行動してみたら解決できそうか?

 

上記のように、階層整理した問題は、最下層から上層に向かって確認してみるとイメージが深まっていきます。

 

その⑥:課題設定シート

 

課題設定シートとは、問題解決のために取り組むべきことを整理するフレームワークです。

 

  1. 解決すべき問題:メンバー間のモチベーションの差が大きくなり始めている

  2. 取り組む課題:新入社員の教育プログラムと評価精度の設計

 

課題設定シートは、ここまで解説してきたフレームワークのまとめのようなものです。

課題設定シートで可視化・言語化することで取り組むべき課題を明確にしましょう。

このプロセスで重要なのは、問題から課題に具体化していくことです。

 

思考のコツ

  • 過去同様に取り組んだ課題はあるか?

  • 課題解決に協力してもらうにはどうすればいいか?

  • 課題に取り組むハードルはあるか?

 

課題=問題を解決するための具体策なので、実際に行動につながるかどうかを考えることが必要になってきます。

上記のような問いかけをしていくと、実際の行動につながるかどうかジャッジしつつ思考することができます。

 

 

その⑦:緊急度/重要度マトリクス

 

緊急度/重要度マトリクスは、課題の優先度を可視化してマッピングして考えるフレームワークです。

 

  1. 緊急かつ重要

  2. 緊急だが重要でない

  3. 緊急でないが重要

  4. 緊急でも重要でもない

 

マトリクスは上記の4象限にわかれます。

上記のように4つに分類して考える事で優先度を明確にします。

7つの習慣という名書で紹介されていますが、人は「①:緊急かつ重要」に時間を割きがちだが、

じつは「③:緊急ではないが重要」なことにちゃんと時間を割くことが大事です。

 

 

思考のコツ

  • 低コストで高い効果が得られそうなものは?

  • 重要度が低いのにコストがかかりすぎているものはないか?

  • やらなくてもいいことはないか?

 

緊急度、重要度をはかる理由も、実際の行動につながるかどうかをジャッジするためです。

よって、「高い効果が得られそうなこと」であったり「やらなくていいこと」のように

行動に対する効果を見込んでいく問いかけが重要です。

 

 

その⑧:意思決定マトリクス

 

意思決定マトリクスは、定量的・客観的に選択肢を評価していくフレームワークです。

 

  1. 緊急性(×1.0)、実現性(×1.0)、収益性(×2.0)、将来性(×2.0)

  2. 上記のように評価基準と評価の重みを決めます

  3. 洗い出した選択肢を上記基準にはめて評価します

 

文章だけだと少しわかりづらいので、上図の例題で考えてみましょう。

 

  • オリジナル商品の開発:12点
  • 紹介プログラムの企画:15点
  • デジタル化の推進:20点
  • パートナー企業の選定:13点
  • プロモーション戦略:15点

 

上記のように、複数の選択肢を定量的、客観的に評価します。

評価して一番点数の高かった選択肢を採用して行動につなげます。

 

ポイントは主観だけでなく、客観的にみるということ。アンケート形式などにして複数人でみるのも有効です。

 

思考のコツ

  • 全て実行することはできるか?

  • 加点?減点?どちらで考えるか

  • 課題が解決された状態を最もイメージできるのはどれか?

 

客観的評価をするうえで、上記のような問いかけをしつつ点数をつけていくと正当に評価できます。

 

 

まとめ:8つのフレームワークを使って問題→課題を発見しよう

最後におさらいです。

使い方フレームワーク
問題をあぶり出す
フレームワーク
1As is/To be
26W2H
3なぜなぜ分析
4コントロール可能/不可能
問題を整理する
フレームワーク
5ロジックツリー
6課題設定シート
優先順位を決める
フレームワーク
7緊急度/重要度マトリクス
8意思決定マトリクス

 

本記事では、上記8つのフレームワークについて解説しました。

 

上記を使いこなすことで、自分だけだと考えが及びづらい「思考の幅」をひろげる手助けをしてくれます。

 

  1. 問題:理想と現実のギャップのこと
  2. 課題:問題を解決するための具体策

 

上記を頭に入れて問題と課題の洗い出しにチャレンジしてみてくださいね。

ぽてと

 

 

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もし興味がある方はこちらのnoteをご覧ください。

 

また、その他のフレームワークについても「ロジカルシンキングのフレームワーク85種類【85枚の図解で解説】」で解説しています。

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