よくある疑問
- 会社で上司にPDCAサイクルを意識しなさいと言われた
- PDCAサイクルって聞いたことあるけどやり方がわからない
- イメージがわかないからPDCAサイクルの具体例とか知りたい
こんな疑問を持っている方へ。
本記事では、上場企業管理職の僕がPDCAサイクルの使い方について具体例つきで解説します。
僕が部下にする教育通りに解説しますので、上場企業の教育ってこんな感じかと思いながら読んでください。
この記事の信頼性
この記事を書いている僕は、本業は東証プライム上場企業の管理職を務めています。
- 上場企業の管理職
- 200名以上の従業員マネジメント経験
- 現在はIT企画部門
- 10億円以上のプロジェクト担当
- 経営層に向けたプレゼンが日常業務
業務はこんな感じです。
PDCAサイクルを日々意識してます。
(Twitter:@logithin_labo)
タップできる目次
PDCAサイクルとは「目標達成」のためのフレームワーク
PDCAサイクルは会社の営業部門における売上目標の立案や業績向上を図るうえでよく使われるフレームワークです。
PDCAサイクルとは
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
フレームワークの中でも超簡単でわかりやすい!
PDCAサイクルを構成する4つの要素をそれぞれ解説していきます。
①:Plan(計画)
Plan(計画)は、目標達成のためのプランニングを行うステップとなります。
例えば
- 今月の売上目標100万円
- 年間の利益目標500万円
- 人件費月間10万円の削減
上記のようにできるだけ具体的で「達成したか・できていないか」がわかりやすいことがポイントです。
また、「いつまでに」という期日も設定しているとより良いです。
目標は完璧じゃなくてOK
- PDCAサイクルはP→D→C→A→Pとサイクルでまわします
- よって、目標は完璧である必要はありません
- 実行のあとの反省を再度P(計画)で改善しましょう
「いつも無茶な計画ばかり」「達成できなくてしらける」
こんなことが多い人は、PDCAサイクルを意識すべきですね。
- 無茶な計画 →現実的計画に下方修正する
- 余裕な計画 →ちょっと頑張らないといけない計画に上方修正する
こうしてより良い方向に改善していくことこそ、PDCAサイクルの本質です。
②:Do(実行)
Do(実行)は、目標達成のための計画を実行に移すステップです。
計画を達成するためには取るべき「実行」の設定も細かい粒度で落とし込む必要があります。
例えば
- 持久力をつける →具体性がない
- 毎日5キロ走る →具体的
上記のように具体的な行動レベルに落とし込むことで「何をすれば目標達成できるか」を見直すことができます。
③:Check(評価)
Check(評価)は、実行内容の振り返りをするステップです。
- Plan(計画):目標達成のための計画
- Do(実行):〇〇すればPlan(計画)が達成できるだろう
上記のような感じでP→Dについてはあくまで仮説にすぎません。
この仮説が合っているのか、間違っているのか、を細めに振り返って評価することによって
- 無駄なDo(実行)はやめる
- Plan(計画)を作り直す
といった修正につなげることができます。
僕が管理職をやっていて感じるのは、P→Dまではみんなできるけど、C→Aができないということ。
Check(評価)の時間はビジネスにおいて最も重要で最も多くの人ができていないポイントだと思います。
④:Action(改善)
Action(改善)は、評価した内容をもとに改善をしていくステップです。
改善すること
- Plan(計画):目標の数値や期日が適正だったか
- Do(実行):やるべき行動に効果はあったか、また他にできることがあるか
Check(評価)とAction(行動)はセットです。
そして、Do(実行)とAction(改善)はニュアンスは近しいですが、Actionの仮定においては改善することを頭に入れておきましょう。
Action(改善)まで完了したら再びP→D→Cとサイクルで見直していくことでPDCAサイクルの完成です。
PDCAサイクルのまわし方の具体例を2つ紹介【実体験あり】
PDCAサイクルのまわし方の例を2つ紹介します。
例①:無印良品のPDCAサイクルのまわし方の例
無印良品の例を紹介します。
無印の抱えていた課題
資料やマニュアルを作り込む文化があり、「実行力」に課題があるという課題があった
無印の立てた仮説
行動力が弱い原因は長いばかりでメリットがない紙の資料と仮説を立てた
アクション
紙の資料を減らした
- 計画:会議に出すのはA4の紙1枚に資料をまとめるルールを策定
- 実行:社内で実行
- 評価:会議時間が短縮→実行力の改善
- 改善:さらに紙の削減を実行
紙の資料の量と実行力は反比例する、という仮説の立証に成功した無印は、
2001年に社長に就任した松井氏の掲げた「実行力の強化」「常に行動し、試行錯誤し、改善を繰り返す」という方針のもと
6年間で売上1.5倍、利益72億円のV字回復の結果を残しています。
例②:僕の店長時代の実体験でのPDCAサイクル
僕が本業で店長をやっていたときに実際にあったPDCAの改善例を紹介します。
当時抱えていた課題
売上計画を10%ほど達成できない月が3ヶ月続いた
①:Plan(計画)
売上計画を達成できていない原因がどこにあるのか分析した結果以下がわかった
- 書籍部門の売上が未達成
- お客が購入したあと棚が空の状態が続き機会損失を起こしていた
- 書籍が売れやすい時間帯14時前後で、ちょうどお店のピークで誰も品出しができていなかった
上記のような分析をしました。
②:Do(実行)
行ったことは以下です。
- 14時前後のシフトを+1名補填した
- 14時に書籍の棚チェックをして棚が空だった場合、品出しを徹底
③:Check(評価)
1カ月の徹底した後、翌月の時間帯別売上をみると14時前後の書籍売上前月対比が+20%の結果が出た。
④:Action(改善)
この機会にピークタイムの時間帯で機会損失を起こしている部門をみつけて
お客の一番多い時間帯でお店の在庫がちゃんと棚にMAX出ているようなシフト組をした。
PDCAサイクルを意識した結果、時間帯別の売上を気にするという自分の中の引き出しが増えました。
PDCAサイクルを回すことの2つのメリット
PDCAサイクルをまわすメリットは以下の2つです。
PDCAサイクルをまわす2つのメリット
メリット①:現実的なゴールを明確にできる
これは、言いかえると『みんな見えないゴールに向かうのは嫌だ』と感じるということです。
目標や課題に向き合うときに人が「不安」と感じるのは
- そもそもゴールがみえない
- ゴールがみえても手段がわからない
- 手段がわかっていてもやり方がわからない
こんな状況ではみんなモチベダウンのネガティブ集団になります。
- Plan(計画):ゴールを明確にする
- Do(実行):手段を明確にする
- Check(評価):手段を使ってどう進めるか振り返る
- Action(改善):上記をもとに改善する
PDCAサイクルの型にはめて考えることで解決できます。
メリット②:成長効率を上げる
さらにPDCAサイクルで考えることによって、成長効率を上げることが可能です。
- PDCAサイクルをまわさない場合:ナビを使わずになんとなく目的地に向かう
- PDCAサイクルをまわす場合 :ナビを使って最短ルートで目的地に向かう
例えるなら上記のような感じです。
どちらが効率よく目標に向かって進めるかは明確ですね。
PDCAサイクルがうまくまわらないときの【見直しポイント4点】
PDCAサイクルは使ってるんだけど、いつも目標達成できない・・・
という方は以下を見直してみましょう。
見直しポイント4点
- Plan(計画)が具体的でない
- Plan(計画)に時間を使って実行できていない
- Do(実行)に偏りすぎている
- Check(評価)とAction(改善)ができていない
その①:Plan(計画)が具体的でない
計画の具体性は成功・失敗を左右します。
例:フルマラソンの完走
- 持久力をつける →具体性がない
- 毎5キロ走る →具体的
「毎日5キロ走る」という目標であれば、「できた・できなかった」と判断がつきますが
「持久力をつける」では「できた・できなかった」の判断がつきませんよね。
自分の「願望」や「なんとなく」の計画ではPDCAはうまくまわりません。
- 毎日3キロ走ることができる人なら5キロ走ることを目標にする →現実的
- 毎日3キロ走ることができる人が10キロ走ることを目標にする →非現実的
上記の例のように、「現状」を事実から分析してから意思のある計画を立案しましょう.
その②:Plan(計画)に時間を使って実行できていない
計画に時間をかけるのもうまくいかない理由の1つです。
え、でも計画があいまいだとダメって言ったじゃん
と思われるかもしれませんが、大事なのはPDCAをまわすことです。
計画に時間を費やして実行が薄ければ効果は表れません。
計画はあくまで「仮説」です。こうすればうまくいくかもしれない!という仮説は実証していくことが大事。
「計画」と「実行」のバランスが重要です.
その③:Do(実行)に偏りすぎている
逆に「実行」に偏りすぎるのもNGです。
「とにかく行動が第一!」という体育会系の人はこういう失敗をしがちです。
行動力はもちろん重要ですが、こういう人はCheck(評価)が抜けがちです。
行動力という強みを活かすためには、C→Aの時間を意識的に取ることで解決できます。
より良い「実行」を目指しましょう.。
その④:Check(評価)とAction(改善)ができていない
成長効率を上げるためにPDCAみたいなフレームワークに当てはめてものごとを考えることは重要。
でも管理職してて思うのはP(計画)→D(実行)まではみんなできるけど、C(評価)、A(改善)が圧倒的にできない。
ブログ記事もリライトが大事!というように振り返り改善する作業こそ成長の本質だと思う— ぽてと|図解×ビジネススキル (@logithin_labo) January 13, 2022
先日、上記のようなツイートをしました。
僕が管理職をしていて感じるのはCheck(評価)とAction(改善)がみんな抜けがちということです。
C→Aの部分が抜け落ちてしまうと、「結果を分析する」「改善案をつくる」ということが抜けてしまうので目標に近づくことができなくなります。
P→Dの数をいくらこなしても効果の薄いことに時間を使っていては意味がありませんので必ずC→Aの時間を取っていきましょう。
PDCAサイクルを学べる【おすすめ本3選】
おすすめ本3選
- 鬼速PDCA
- 無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい
- PDCAプロフェッショナル
それぞれ紹介していきます。
おすすめ①:鬼速PDCA
本書の内容
野村證券で最年少記録を出し続けた、努力を100%結果に変えるフレームワーク。3日ごとの振り返りで、自分もチームも10倍速で進化する。
出典:本書の内容説明より
ポイント:具体例が多い良書
野村証券の優秀な営業マンの著者がPDCAの極意を伝授しています。
課題を深堀りするための「工数棚卸シート」など具体性のある手の動かし方や
基礎から応用的な実際の実務者が書いた濃い内容。
※ちなみに本書は「Amazonプライム会員」であれば無料(課金なし)で読むことができます。
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Amazonプライム5つの得点
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「Amazonは使うけど、プライム会員じゃない」
上記のような人も、まだ無料キャンペーンが終わっていないので安心してください。
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※30日間の無料体験はいつ終了するかわからないのでお早めに。
(登録は1分ほどで完了できます)
おすすめ②:無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい
本書の内容
「報・連・相」は、いらない、18時30分以降は「自分の時間」、知恵は基本的に「他社から借りる」…他、赤字38億円からのV字回復を実現した「2000ページのマニュアル」の秘密を公開。
出典:本書の内容説明より
ポイント:無印のノウハウがわかる
無印良品で使われている仕事術のノウハウ本。
「報連相は必要ない」「知恵は他社から借りる」など、常識を打ち破る仕事術を紹介しています。
無印で実行されている施策の具体例などはPDCAのDo(実行)の落とし込みレベルの参考に!
※ちなみに本書は「kindle unlimited」であれば無料(課金なし)で読むことができます。
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おすすめ③:PDCAプロフェッショナル
本書の内容
トヨタ出身、マッキンゼーきっての実践派と呼ばれた著者による1冊。あなたとあなたの会社のPDCAが回らない理由が見えてくる。
出典:本書の内容説明より
ポイント:大企業のPDCAの精度の高さ、速さ
PDCA精度の高さや、効果的な方法について解説された1冊。
トヨタ出身、マッキンゼーきっての実践派と呼ばれた著者による解説
トヨタ、マッキンゼーに共通するのは「PDCAの精度の高さ、速さ」だと著者は語る。
まとめ:PDCAサイクルを高速回転させて成長効率を上げていこう!
PDCAサイクルは、会社の営業部門における売上目標の立案や業績向上を図るうえでよく使われるフレームワークです。
PDCAサイクルをまわす2つのメリット
本記事で解説したポイントや具体例を元に実行してみてください!
PDCAを高速回転させることを意識して小さな成功体験を積み上げていきましょう。