よくある悩み
- モチベーションの上げ方がわからない
- 自分モチベーションが何かわからない
- 部下や同僚の気持ちが理解できない
こんな疑問を持っている方は、心理学を学ぶことで
人間の心理を理屈立てて理解して解決していきましょう。
本記事では、心理学の3大巨匠と言われる3人の心理学者の考え方の違いについて簡単に解説していきます!
自分に合った考え方を学ぶことで、どういう考え方でモチベーションが上がるのか下がるのかといった理屈を理解することができます。
モヤモヤして終わっていた日々とはお別れしましょう!
こんな方におすすめ
- 人間心理を理解したい人
- 心理学を仕事に活かしたい人
- モチベーションやコミュニケーションを心理学で改善したい人
本記事の信頼性
この記事を書いている僕は、本業は東証プライム上場企業の管理職を務めています。
- 上場企業の管理職
- 200名以上の従業員マネジメント経験
- 現在はIT企画部門
- 10億円以上のプロジェクト担当
- 経営層に向けたプレゼンが日常業務
業務はこんな感じです!
(Twitter:@logithin_labo)
タップできる目次
フロイト・ユング・アドラーの考え方の違い
心理学3大巨匠であるフロイト、ユング、アドラーの考え方の違いを簡単に言うと以下のようになります。
どれも非常に興味深い!そして「たしかに!」と共感できるものです。
- 共感:今の自分はどれに該当するか?
- 本質:これからはどう生きていきたいか?
こんな視点で学説の違いを理解してみてください。
次章よりそれぞれ詳しく解説していきます。
フロイトの『無意識論』の特徴を2つ紹介
フロイトは、人間心理の理論と治療技術の体系を形づくる精神分析学の創始者です。
無意識の発見をして、精神分析学や心理学の基礎を築いた偉人です。
豆知識:無意識が寝ているときの「夢」に表れるというのはフロイトが考案したものです。
特徴①:フロイトが発見した「人間の無意識」
フロイトは「人間の無意識」を発見した功績があります。
- 自我を認識している「意識」
- 普段は存在を把握できない「無意識」
人間にはこの「意識」「無意識」を持っていて、無意識は意識に比べて多くの情報を持っていることを発見しました。
例えば、急に熱が出てしまったとき
- 最近仕事が忙しくて初対面の人と会食が多かったら
- 無意識のうちにストレスになっていたんじゃないか
と思うことありませんか?
このように普段はみえない無意識の中に込められた感情が原因で体調不良を起こすといったことをフロイトは発見しました。
フロイトは、この人間の無意識を心理学の学説として体系化した偉人です。
特徴②:意識よりも無意識を重視する
フロイトは意識よりも、普段はみえない無意識の方が多くの情報を持っていると仮定し、
無意識の中では意識に到達しない記憶や感情があることを研究しました。
例えば
- 嫌なことがあったときにその記憶を忘れようとする
- むかつくことがあったときに感情を抑えようとする
「嫌なこと」という意識と、「忘れようとする」無意識の間にこそ自我が存在し、自分をコントロールしているとフロイトは考えました。
つまり、無意識の情報をひろっていくことで「自分の本当の気持ち」がわかるということです。
フロイトのを象徴する名言【3選】
心とは氷山のようなものである。氷山は、その大きさの7分の1を海面の上に出して漂う。
氷山のように海面から頭を出しているのが「意識」だけど、残りの多くが海の中にある「無意識」である。
心を知るには外からだけではわからない無意識にこそ多くの情報がある、というのを表現しています。
人間は自分のコンプレックスを除去しようとつとめるべきではなく、それと調和を保つようにつとめるべきです。
コンプレックスを感じる記憶は誰しも持ってますが、コンプレックスを消し去るのは簡単なことではありません。
コンプレックスを受け入れ、調和を取っていくことこそが安定した心を手に入れる近道だ、というのを表現しています。
力は、あなたの弱さの中から生まれるのです。
無意識の中で抑えられた感情が強ければ強いほど、時にはそれが原動力になる、という表現です。
「下積みが長い芸人さん」とかは貧乏なときの負の感情があったからこそ芸に打ち込める!
こんなことを表現しています。
フロイトの学説を理解できる【おすすめ本2選】
精神分析学入門
本書の内容
人間理性の万能を否定し、性の魔力を主張するフロイトの精神分析学は、ダーウィンの進化論、マルクスの資本論とともに、近代の人間観に大きな変革をもたらした。この『精神分析学入門』は、フロイト自らが精神分析学の全体系とその真髄をわかりやすく詳述した代表的著作である。
出典:本書の内容説明より
精神分析学入門 は、フロイトがウィーン大学で一般向けに行った講義をまとめた本で
「錯誤行為」「夢」「精神症総論」の3部で構成されており、精神分析学の体系、本質について書かれた代表的な1冊です。
現代フロイト読本 1
本書の内容
ジークムント・フロイト(1856‐1939)が残した二百余におよぶ著作のなかから重要著作を精選。『ヒステリー研究』(1895)から『精神分析的研究からみた二、三の性格類型』(1916)まで。自由連想法に到達し、エディプス・コンプレックスの発見、幼児性欲の洞察を経て、精神分析の古典的技法・理論を精力的に発表・形成してゆく道程が明らかになる。
出典:本書の内容説明より
現代フロイト読本 1 は、フロイトの残した200余の著作の中から特に重要な43篇についてピックアップし、
現代を代表する精神分析家たちがフロイトの理論や言葉について再検討する内容となっています。
ユングの『タイプ論』の特徴を2つ紹介
ユングは、「分析心理学」の創始者で、元はフロイトと師弟関係にあり、共に精神分析学の発展に努めていた人物です。
ユングは、人の性格や人格を2つの態度と4つの機能、合計8タイプに分類できるというタイプ論を提唱しています。
特徴①:タイプ論における【2つの態度】
ユングのタイプ論を理解するには、まず人間の「2つの態度」を理解しなければいけません。
- 内向的:心のエネルギーが「内側」に向く人
- 外向的:心のエネルギーが「外側」に向く人
内向的、外向的って言葉はなんか聞いたことありますよね。
以下に注意点を記します。
注意点
※内向的=暗い、外交的=明るいではない
- 内向的:自己の内面に関心が向くタイプのこと
- 外向的:外部のものに関心が向くタイプのこと
内向的とは
- 内省的で自分にダメ出しする傾向
- 他人に対して関心が薄い傾向がある
外向的とは
- 周囲や現実に意識が向く
- 他人のこともよく観察している
- 他者や社会に影響を与えたいと思っている
明るい性格だけど、内向的な人もいるし、
暗い性格だけど外向的という人もいます。
自分以外の外の世界と接しているときに元気が出てモチベーションが出てくる人は外向的、
逆に外の世界に触れていると疲れてしまう人は内向的だと考えましょう。
特徴②:タイプ論における【4つの機能】
ユングのタイプ論を理解するには、次に「4つの機能」を理解しましょう。
- 思考:ものごとを論理的に捉える機能で理論や理屈に関心が向く
- 感情:好き、嫌いや快、不快でものごとを判断する機能
- 感覚:ものごとを見たまま、そのまま感じ取る機能
- 直観:事実よりもその裏に隠れた意味や可能性に関心を持つ機能
上記の4つの機能があることをユングは提唱しています。
機能=人の心には上記4つの働きがあるということです。
4つの機能の違い
例:サッカー観戦したとき
- 思考型の人:どのような戦術を取っているか、監督は誰か、選手の経歴などを理解しようとする
- 感情型の人:好き、嫌いや強い、弱いなど感覚的に判断しようとする
- 感覚型の人:上手い選手や下手な選手など見たものを把握する
- 直観型の人:選手の配置を変えたらもっとよくなるに、といった可能性を探ろうとする
上記のように、4つの機能は同じものごとに対しても異なる反応を起こします。
よく男性は論理的で女性は感情的、と言ったりしますよね。
そういった傾向は、この4つの機能で違いが出ています。
タイプ論=(2つの態度)×(4つの機能)
ユングのタイプ論によると「内向的」「外交的」の2つの態度と「思考」「感覚」「感情」「直観」の4つの機能の組み合わせ
2×4=8タイプの人間に分類されるとしています。
- 内向的×思考優位:独創的な深い思考で周囲から理解不能なこともある
- 外向的×思考優位:現実的で理論的、客観的な事実に基づいて考える
- 内向的×感情優位:穏やかで細かな心遣いと深い愛情を持つ
- 外向的×感情優位:感情に正直で好感度の高い
- 内向的×感覚優位:独自の世界観を持つ
- 外向的×感覚優位:現実主義者で観察力が高い
- 内向的×直観優位:現実の世界で生きるのに苦労する夢想家タイプ
- 外向的×直観優位:常に新しい可能性を求める
自己実現とは『弱点』を補うこと
自分のタイプを理解し、優れた機能はさらに磨きをかけ、未発達の機能は開発するように心がけることをユングは「自己実現」という概念にしました。
「思考」⇔「感情」、「直観」⇔「感覚」はそれぞれ相反する関係となっています。
例えば
- 思考が優れている人は感情が未発達
- 感覚が優れている人は直観が未発達
同じものごとに対してもタイプによってこれだけ感じ方、考え方が違うということを理解すると意見が合わなかったり、話しがかみ合わないことも納得できますよね。
まずは自分のタイプを理解してみましょう。
優れた機能はさらに磨きをかけ、未発達の機能は開発するように心がけることでバランスの良い人間に成長していくことができます。
ユングを象徴する名言【3選】
理解できない人のことを愚か者とみなしてしまうことが、人間にはよくある。
タイプ論でまずは自分を理解し、他者を論理的に理解しましょう!
ある人に合う靴も、別の人には窮屈なものである。あらゆるケースに適用する人生の秘訣などない。
誰しも考え方や感じ方のタイプが異なることを意味しているユングを象徴する言葉です!
あなたが向き合わなかった問題は、いずれ運命として出会うことになる。
タイプを理解して改善に努めることこそ「自己実現」です。
弱みを把握し、向き合わないことでいずれ壁に当たるでしょう。
ユングの学説を理解できる【おすすめ本2選】
ユング心理学でわかる「8つの性格」
本書の内容
ユング心理学で、あなたの本質を解き明かす。自分の個性を伸ばし、仕事も恋も人間関係も、全てが上手く回りだす、人生の手引き書。
出典:本書の内容説明より
ユング心理学でわかる「8つの性格」は、 ユングが研究に20年を費やした性格類型による人生を劇的に変えてよりよく生きるヒントを示した本です。
それぞれのタイプと上手に付き合う方法についても解説されています。
無意識の構造
本書の内容
私たちは「われ知らずにしてしまった」などということがある。種々の症例や夢を取り上げながら、この不思議な心の深層を解明する。
出典:本書の内容説明より
無意識の構造は、「われ知らずにしてしまった」ということがある無意識の世界とは何なのか?
症例の具体例を取り上げながらこの不思議な心の深層を解明する、ユング派の心理療法家として知られる著者がユング理論を用いて書いた1冊です。
アドラーの個人心理学の特徴を4つ紹介
アドラーは、「個人の心は分割できない」と主張する個人心理学という理論を提唱しました。
ベストセラー「嫌われる勇気」でも有名なアドラー心理学は現代社会に通じることが多くの人が共感できるものです。
特徴①:【目的論】トラウマなんてない
アドラー心理学では、これまでの原因論ではなく、目的論という考え方を提唱しています。
- 目的論(アドラー):今のままが楽だから過去のせいにしているだけ
- 原因論(フロイト):過去が原因で今がある
文字面だけだと理解しづらいので、例で考えてみます。
例えば「赤面症で告白できない女の子」
- ✕:赤面症が治れば告白したい
- 〇:赤面症というのを理由にして、告白できない自分を許している
上記のように「人は原因によって行動するのではなく、現在の目的によって行動している」という考え方がアドラー心理学の特徴です。
あなたが自身が「過去のトラウマを利用している」というのがアドラー心理学の目的論の考え方です。
特徴②:全ての悩みは対人関係
アドラーは、世界はシンプルである、すべての悩みは対人関係に集約されると主張しています。
例えば「お金の悩み」
- 借金:誰との間の?
- 稼ぎ:誰と比べて?
つまり、アドラー心理学では対人関係こそなんとかすれば悩みは解決される、と断言しています。
特徴③:課題の分離が重要
では、対人関係の悩みをどう解決すればいいか?
結論、それには「課題の分離」が重要です。
簡単に言うと「自分を信じて行動すること」です。
例えば、
- (息子)お笑い芸人になりたい
- (親)そんな不安定な職は反対
こんな話よく聞きますよね。いわゆる課題の分離ができていないのはこういうケースです。
課題を分離すると以下の通りです。
- 息子の課題:お笑い芸人になること
- 親の課題 :お笑い芸人になりたい息子の夢を認めること
息子の夢を受け入れられるかどうか、はあくまで親の課題であり、
親が認めてくれるかどうかは息子にとっては本来関係ないことなんです。
自分の課題と他人の課題を分離することで「自分を信じて行動すること」が実現できます。
特徴④:承認欲求は危険
疑問:そんなこと言われても親の反対とか無視できない
課題の分離をするには承認欲求を捨てろ!とアドラーは主張しています。
- 褒められようとして親が望む職に就く
- 結果、自分のやりたいことをやらない
褒められることを目的とすることで自分では考えて行動することができない人間になってしまいます。
つまり課題を分離することに重要なのは承認欲求を捨てろ!ということです。
他人に制限されず自由になる
対人関係を解決する→そのためには「自分」と「他人」の課題を分離する→課題を分離するためには承認欲求を捨てる
上記のようにすることで「自分で考え行動する」自由を手にすることができます。
「これは自分の課題じゃない」と思えることによって本当に自分のやりたいこと、選択ができるようになります。
アドラーを象徴する名言【3選】
「やる気がなくなった」のではない。「やる気をなくす」という決断を自分でしただけだ。「変われない」のではない。「変わらない」という決断を自分でしているだけだ。
トラウマなんてない!という考え方を象徴する言葉です。
カッときて自分を見失い怒鳴ったのではない。相手を支配するために、怒りという感情を創り出し利用したのだ。
感情はコントロールできるものだからそれを利用したのはあくまで自分だ、というアドラーらしい考え方です。
叱ると一時的には効果がある。しかし、本質的な解決にはならない。むしろ相手は活力を奪われ、ますます言うことを聞かなくなるだろう。
課題の分離が重要!という考え方を象徴しています。
った内容がわからず困るのは相手です。活力を奪うことなく理解してもらうには課題を分離しましょう。
アドラーの学説を理解できる【おすすめ本2選】
嫌われる勇気
本書の内容
フロイト、ユングと並ぶ心理学三大巨匠の一人、アドラー。日本では無名に近い存在ですが、欧米での人気は抜群で、多くの自己啓発書の源流ともなっています。
本書では、アドラー心理学の第一人者である岸見一郎氏がライターの古賀史健氏とタッグを組み、哲学者と青年の対話篇形式で彼の思想を解き明かしていきます。出典:本書の内容説明より
嫌われる勇気は、アドラー心理学の超ベストセラーで「青年と哲人の対話篇」という物語形式を用いてまとめた一冊です。
「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という哲学的な問いに、きわめてシンプルかつ具体的な「答え」を提示しています。
幸せになる勇気
本書の内容
3年ぶりに哲人を訪ねた青年が語る衝撃の告白。それは「アドラーを捨てるべきか否か」という苦悩だった。
アドラー心理学は机上の空論だとする彼に「貴方はアドラーを誤解している」と哲人は答える。アドラーの言う、誰もが幸せに生きるためにすべき「人生最大の選択」とは何か? 貴方の人生を一変させる哲学問答、再び!出典:本書の内容説明より
幸せになる勇気は、 嫌われる勇気の続編で、なぜ「幸福な人間」は少ないのか?がテーマ。
どうすれば人は幸せになれるか。あなたの生き方を変える劇薬の哲学問答集です。
まとめ:フロイト・ユング・アドラーの違いを学んで人間心理を理解しよう
それぞれどの学説も共感できるものでしたよね。
- 人間心理を理解したい人
- 心理学を仕事に活かしたい人
- モチベーションやコミュニケーションを心理学で改善したい人
上記に該当する人は、心理学で学問的に人の気持ちを学ぶ方法も考えてみてください。
本記事の内容が参考になれば嬉しいですが、これらは知っただけでは意味がありません。
ひとつでも行動に移して今より良い自分に進化していきましょう。