ロジカルシンキング

クリティカル・ロジカルシンキングの違い【図解でわかりやすく解説】

よくある疑問

  • ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違いって何?
  • ロジカルシンキングとクリティカルシンキングはどう使い分けるの?
  • どうやって学べばいいの?

 

本記事では、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違いについて解説していきます。

2つの違いを理解すると、よく問題を深堀りして思考力を高めることができます。

 

特に下記にあてはまる人は必見です。

 

こんな方におすすめ

  • ロジカルシンキングを学びたい新社会人など

  • 表面的でなく、深く自分で考える力を身につけたい人

  • 企画や業務改善をしたい人

  • 素早い判断が求められる人

  • クリティカルシンキングがなぜ必要なのかわからない人

 

本記事の信頼性

この記事を書いている僕は、本業は東証プライム上場企業の管理職を務めています。

  • 上場企業の管理職
  • 200名以上の従業員マネジメント経験
  • 現在はIT企画部門
  • 10億円以上のプロジェクト担当
  • 経営層に向けたプレゼンが日常業務

業務はこんな感じです。

ロジシン・クリシンともに使用は通常業務レベルです。

(Twitter:@logithin_labo

ぽてと

 

クリティカルシンキング・ロジカルシンキングの違い【5つのコツ】

ロジカルシンキング、クリティカルシンキング2つの違いを理解するうえでまずは以下をおさえましょう。

 

  • ロジカル(=論理的:一貫して筋が通っている
  • クリティカル(=批判的: すぐ同調したり受け入れたりしない

 

ここに注意

批判=否定ではない

  • 批:事実を突き合わせる
  • 判:見分け定める

 

「批判」の言葉がもつ意味は上記のようになります。

受け入れない、拒絶するといった批判ではありません。

 

ロジカルシンキング・クリティカルシンキングの違い

ロジカルシンキングとクリティカルシンキングは、まったくの別の思考方法というわけではありません。

図解すると下記のようになりますが、簡単に言うとロジカルシンキングよりもよりも深堀りする思考がクリティカルシンキングです。

 

 

以下の記事も参考にしてみてください。

ぽてと

 

 

クリティカルシンキングが思考力を高める

疑問:なぜロジカルシンキングだけじゃダメなの?

結論、クリティカルシンキングがあると思考力がより高まるからです。

 

クリティカルシンキング→ロジカルシンキングで考えると良いです。

 

ロジカルシンキングの考え方

ロジカルシンキングは、一貫して筋を通して考えます。

上図の例

要因①-1が成立すると、要因①が成立する、要因①が成立すると課題が解決される。

 

ロジカルシンキングの場合は上記のように一貫して考えます。

 

この場合、そもそも要因①-1が的外れだった場合、全てが成立しなくなる、ということになります。

 

クリティカルシンキングの考え方

対して、クリティカルシンキングは最初に問題を深堀りします。

 

上図の例

要因①-1と判断したのはなぜ?本当に課題なの?判断したデータや根拠は?

 

上記のように前提を疑ったり、課題だと取り上げたこと自体を深堀りします。

 

結論、クリシン→ロジシンで考える。

ロジカルに考えるだけではなく、クリティカルに考えることを取り入れるとより思考力を高めることができます。

 

クリティカルシンキング5つのコツ

疑問 :クリティカルシンキングってどうすればできるようになるの?

 

上記のような疑問に答えます。ここでは5つのコツを紹介します。

 

それぞれ解説していきます。

 

コツ①:根拠を出す

クリティカルシンキングするうえで最も重要なのは、徹底的に事実で物事を判断することです。

  • この方法が最善と証明するデータはあるか
  • 成功した前例はあるか
  • 過去にどうようの課題がなかったか

 

すぐに同調せず、徹底的に見直しましょう。

 

コツ②:バイアスや前提を意識する

根拠を出す、に付け加えてバイアスや前提を意識しましょう。

 

設定した課題や、選択肢の中でバイアスがかかっていたり、前提が間違っているものはないか確認します。

 

前提が間違っていると、今後取る行動が全て無駄になるので注意しましょう。

 

  • 結論ありきで考えていないか
  • 新しい意見を軽視していないか
  • 自分の記憶に依存していないか
  • 経験則で判断していないか
  • 希望的観測で考えていないか

 

ここでもう一度、批判的の意味を思い出しましょう。

 

クリティカル=批判的:すぐに同調したり受け入れたりしない

この意識を忘れずに思考することでクリティカルシンキングです。

 

コツ③:感情的にならない

バイアスを生む大きな原因となるのが感情です。

 

無駄な感情は徹底的に排除してください。

 

  • 私がそう感じるから~といった推論をしていないか
  • 不確実なものを軽視していないか
  • 経験上うまくいった、など推論していないか

 

感情に基づく判断は事実を元に判断されていません。

 

徹底的に根拠を集めることに集中します。

 

コツ④:過度に単純化しない

難しい問題に直面すると、人は無意識のうちに選択肢を絞り込んでしまいます。

 

過度に単純化せず、根拠に基づいて動きましょう。

 

  • 不確実なものを切り捨てていないか
  • 理解できないことを選択肢から捨てていないか
  • 選択肢を絞りすぎていないか

 

「本当に不要か?」と、出した結論を再度見直しましょう。

 

コツ⑤:他の解釈を考える

最後に他の解釈がないか、常に考えましょう。

 

  • 出した結論は本当に根拠に基づいているか
  • 一番はじめの情報に依存していないか

 

出した結論に対しても批判的思考で見直しをかけることが重要です。

 

例題でクリティカルシンキングしてみる

疑問:説明だけだとよくわらないから例題とかない?

本章では、例題で考えてみます。

 

例題

「A店の従業員の退職が多い」この状況を改善するには?

 

A店の店長の意見

  • そもそも今どきの子たち忍耐力がなくてすぐに辞めてしまう
  • 隣のB店よりも時給が低いのもひとつの原因
  • 面接は営業部長と分担しており、営業部長の採用基準を見直すべき

 

仮説

  1. 今どきの子は忍耐力がないから辞めてしまう
  2. B店より時給が低いので辞めてしまう
  3. 面接を分担する営業部長の採用基準が悪いため退職が多い

 

クリティカルシンキングで生まれる疑問

  1. すぐ辞めるとはどのくらいの期間で、退職者は何を理由に辞めているのか?データはあるのか?
  2. B店の時給が高く辞めているのであればA店で辞めた従業員はB店で働いているのか?
  3. 採用基準はそもそも存在するのか?見直しをかけるには何をすればいいのか?

 

一見、主張には、筋が通っているように見えても

  • そこに根拠はあるのか?
  • データや統計はあるのか?

 

上記のように批判的思考で見直すことで現状を正しく理解することができます。

 

クリティカルシンキングで本質を見極め、思考力を高める

クリティカルシンキングすることで、結果的にロジカルシンキングを高めることになります。

 

課題や選択肢の本質を見極めるのがクリティカルシンキングです。

 

再掲になりますが、上記5つのコツを意識してクリティカルシンキングすれば

おのずとロジカルシンキングも上達してくることになります。

 

ロジカルシンキングとクリティカルシンキングを使い分ける方法

疑問:ロジカルシンキングとクリティカルシンキングはどうやって使い分けるの?

 

結論、組み合わせて使うが◎です。クリティカルシンキング→ロジカルシンキングの順で使い分ける。

 

2つの思考法を使い分け・特徴

思考法使い分け・特徴
①:ロジカルシンキング(=論理的思考)
  • 論理的思考で考え方に筋を通す
  • 対策や打ち手の効果を論理的に思考できる
  • 課題解決に向けて一番最初にすべき
②:クリティカルシンキング(=批判的思考)
  • 本当にこれで良いのか?といった前提を見直す思考方法
  • ロジカルシンキングの後に「本当に良いのか?」見直しをかける
補足:ラテラルシンキング(=水平思考)
  • 自由にアイディアを出す思考方法
  • ロジシン、クリシンとセットで一緒に使えると〇

 

考える順番はクリシン→ロジシン

クリティカルシンキングから始めて、ロジカルシンキングにつなげる流れが◎です。

 

  • ロジカル(=論理的):仮説や推論を使って解答を出す(次に何をやるか決める)
  • クリティカル(=批判的): 問題の前提や根っこの部分を見直す

 

ロジカルに考えてクリティカルに見直すと良いです。

 

ロジシン・クリシンどちらかだけでは△

ロジカルシンキング、クリティカルシンキングどちらかだけではなく、両方活用しましょう。

 

くり返しになりますが、以下が理由です。

ぽてと

 

ロジカルシンキングの考え方

ロジカルシンキングは、一貫して筋を通して考えます。

 

上図の例

要因①-1が成立すると、要因①が成立する、要因①が成立すると課題が解決される。

 

ロジカルシンキングの場合は上記のように一貫して考えます。

この場合、そもそも要因①-1が的外れだった場合、全てが成立しなくなる、ということになります。

 

クリティカルシンキングの考え方

対して、クリティカルシンキングは最初に問題を深堀りします。

 

上図の例

要因①-1と判断したのはなぜ?本当に課題なの?判断したデータや根拠は?

 

クリシンで見極め、ロジシンで行動に導く

問題解決の筋道は、クリティカルシンキングで本質を見極め、ロジカルシンキングで行動につなげていくことです。

どちらかだけではなく、組わせて使うのが最強です。

 

補足:水平思考(=ラテラルシンキング)

ロジカルシンキング、クリティカルシンキングの他にもう1つ一緒に語られる思考法でラテラルシンキングという思考法があります。

 

ここでは補足情報になるので簡単に解説します。

 

ラテラルシンキングとは?

ラテラルシンキングとは、ヒトコトで言うと「アイディアを生み出す方法」です。

 

和訳すると

ラテラルシンキング=水平的思考

 

様々な視点で物事を捉え、自由な発想で新たな解決策を見出していく思考方法です。

 

ラテラルシンキング5つの特徴

  1. ランダムに考える
  2. 刺激的に考える
  3. 挑戦的に考える
  4. 概念を拡げる
  5. 反証的に考える

 

こちらは補足情報なので詳しくは関連記事で読んでみてください。

ぽてと

 

 

クリティカル・ロジカルシンキングの学べる【おすすめ本3選】

本章では、最後にロジカルシンキング、クリティカルシンキングが学べるおすすめ本を3冊紹介します。

 

おすすめ本3選

 

おすすめ①:グロービスMBAクリティカル・シンキング

 

本書の内容

論理の構造化、演繹法と帰納法、因果関係、仮説と検証…論理思考のベストセラー定番テキスト。
演習問題・事例・解説を刷新。

出典:本書の内容説明より

 

おすすめポイント:ビジネスパーソンが仕事を進めるうえで役立つ思考が身につく

ビジネススクールのグロービスが監修しているので信用度高い1冊です。

ビジネスで確実に直面するであろう課題に対してどう思考すべきか解説しています。

短い時間でシンプルに習得できるように構成されているので忙しいビジネスパーソンにおすすめです。

 

おすすめ②:入社1年目で知っておきたい クリティカルシンキングの教科書

 

本書の内容

これからのビジネスに、前例やマニュアルは通用しない。
いま会社が求めているのは、課題を解決する能力より、課題を見つける能力。
論理に縛られた“頭でっかち”を卒業して、真の成果を産み出す人材になろう。

出典:本書の内容説明より

 

おすすめポイント:豊富な事例をもとに課題解決のための思考法を身につけられる

テクニックだけでなく心構えのような内容も多く、タイトル通り入社1年目のような人におすすめ。

各所レビューには『思いのほか難しい』という感想が散見されます。

クリティカルシンキングの内容はやはりちょっとハードルが高い印象ですが、本書はその中でも入門的内容です。

 

おすすめ③:クリティカルシンキング(入門篇)あなたの思考をガイドする40の原則

 

本書の内容

「ものの考え方」自体を学ぶ機会がこれまでにあっただろうか。本書は,現代をよりよく生きるために必要な「ものの考え方」,すなわち「クリティカルシンキング」を系統的に学習するためのテキスト。
提示された「原則」や,豊富な練習問題を通じ,自ら考えようとする態度や習慣を身につけるためのガイドとして最適である。

出典:本書の内容説明より

 

おすすめポイント:クリティカルシンキングを40の原則で解説

『ビジネスだけではなく生活のなかで役立つクリティカルシンキングの入門書』

具体的なシチュエーションで解説されており、利用シーンをイメージしやすい1冊です。

 

まとめ:ロジカルシンキング、クリティカルシンキングの違いを理解して使い分けよう!

最後におさらいです。

 

思考法使い分け・特徴
①:ロジカルシンキング(=論理的思考)
  • 論理的思考で考え方に筋を通す
  • 対策や打ち手の効果を論理的に思考できる
  • 課題解決に向けて一番最初にすべき
②:クリティカルシンキング(=批判的思考)
  • 本当にこれで良いのか?といった前提を見直す思考方法
  • ロジカルシンキングの後に「本当に良いのか?」見直しをかける
補足:ラテラルシンキング(=水平思考)
  • 自由にアイディアを出す思考方法
  • ロジシン、クリシンとセットで一緒に使えると〇

 

ロジカルシンキング、クリティカルシンキング共にビジネスパーソンとしては必須のスキルとしてよくあげられます。

 

  • ロジカルシンキングを学びたい新社会人など

  • 表面的でなく、深く自分で考える力を身につけたい人

  • 企画や業務改善をしたい人

  • 素早い判断が求められる人

  • クリティカルシンキングがなぜ必要なのかわからない人

 

上記に該当する人はぜひ、本記事の内容をおさえて意識してみてください!

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